「〇〇くん、食べ物は何が好き?」
キッズカットの最中、僕はよくこんなことを聞きます。
ハンバーグと答えてくれたからといって、ハンバーグが出てくるわけじゃないんですが(笑)
子供にとって美容室って、ちょっと怖い場所
知らない場所に来て、大きなクロスをつけられて、知らない大人にいきなり頭を触られて、ハサミで自分の髪を切られる。
「なんかヤバい!」と思って当然ですよね。
だから子供は頭を動かしたり、のけぞったり、「ヤダ!ヤダぁ〜!」ってなる。あれ、反抗してるわけじゃなくて、ごく自然な反応なんです。
「好きな食べ物」を聞くのには理由がある
そこで「〇〇くんは何が好き?」と聞くと、子供の頭の中に好きな食べ物がぱっと浮かびます。
すると、動きがピタッと止まる。
その隙に、チョキチョキ✂️
口に出さなくてもいい。頭の中で考えてくれてるだけで、ちゃんと「会話」は成立してるんです。「この人、自分に興味を持ってくれてる」ってちゃんと伝わってる。
そこで起きやすいこと
「〇〇くんは食べ物、何が好き?」
「…………。」
「イチゴよね!?イチゴ大好きだよね〜!」
お母さんが、ついフォローしてくれます。
気持ちはすごくわかります。うちの子が黙ってて美容師さんに失礼かも、と思う。だから助け舟を出したくなる。真面目で優しいお母さんほど、そうなりやすいんです。
でも、この瞬間に何が起きるかというと——
子供にとってその会話が「自分とではなく、お母さんと美容師さんの会話」になってしまうんです。

言葉を奪われると、子供は動き出す
会話から置いてかれた子供は、また「頭を触られてる」に意識が戻ります。そしてまた動く、暴れる。
それだけじゃなくて、日常のいろんな場面でこれが続くと、自分の言葉をどんどん押し殺すようになっていきます。
そうなると、今度はお母さんが全部代わりに答えるようになって……
「どうするの?これ?あれ?前にあれって言ってたよね?あれにしときなさい。じゃああれでね!すみません、あれお願いします!」
…お母さん、ちょっと大変ですよね(笑)
大丈夫です、考えてるだけでちゃんと伝わってます
「美容師さんが気を使って質問してくれてるのに、何も答えないのは申し訳ない」
そう思わなくて大丈夫ですよ。
子供はちゃんと考えてます。語彙も会話力も、大人よりずっと少ないんだから。答えが出るまでに時間がかかるのは当たり前のことです。
僕たち大人にできる、たったひとつのこと。
それは「待つ」こと。
それだけで、子供はちゃんと自分の言葉を持てるようになっていきます。
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