僕の故郷広島の代表、「広陵高校」が甲子園2回戦で出場を辞退しました。
今回の出来事は、たった一杯のカップ麺から始まりました。
寮で1年生が禁止されているカップ麺を食べ、それを知った3年生4人が体罰を加えた――。
その結果、広陵高校は甲子園2回戦を辞退する事態になりました。
そもそも、なぜカップ麺が禁止だったのか。
想像するに、それは電気代の問題でも、学校指定の食品を食べさせたいからでもなく、成長期の身体にとって良くないからだと思います。つまり、このルールは「生徒のため」のもの。だからこそ、先輩はまず“なぜダメなのか”を説明すべきだった。
けれど、現実は違ったのでしょう。「みんな守っているのに破った」「自分たちだって食べたいのに我慢しているのに」という感情が、怒りに変わり、暴力になってしまったのだと思います。
僕も学生時代水泳をやっていて合宿とかして当然、晩御飯は死ぬほど食べるんだけど、とにかくお腹が空くのです。ハードな練習をすればするほど夜中にお腹が空くのです。そこでカップ麺があれば内緒で食べたくもなるのです。それでも「自分の体のため」とか「レギュラーになるため」とか考えると我慢も出来るかも知れません。
ただ、この1年生はまさか、その一杯のカップ麺が原因で、自分だけでなく仲間全員の甲子園が消えるなんて想像もしていなかったはずです。
「他の生徒(選手)がかわいそう」という声もあります。
確かに、途中退場になった選手たちは本当に気の毒です。でも、もし僕がこの1年生やその親だったら、「そんなの関係ない!」と思うでしょう。たかがカップ麺で殴られ、野球人生や将来までも狂わされ、形式的な謝罪だけで「お前も悪い」と言われたら、納得なんてできません。
恨むべきは「当該の1年生」ではありません。行き過ぎた指導を止められず、規則の意味を説明して納得させることもできなかった学校や指導者にこそ、責任を問うべきです。
カップ麺禁止なんて、昔はなかったはずです。ルールは時代や状況に合わせて見直すことができます。そして、本来は生徒自身が自分の体を管理できるようになることが理想です。
「子供にそんなことできるわけない」と大人は言うかもしれません。でも、高校生はまだ未熟な面もありますが、ときに大人以上に考える力を持っています。だからこそ、理由も説明せずに押し付けるのではなく、ルール作りにも子どもたちを参加させていいのではないか――そう、僕は思うんです。
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