美容師に不可欠な能力は「読解力」だとぼくは思ってます。
読解力というと「分仕様を読み取る力」くらいに思われることもありますがその言葉を理解し、さらにその先にある「真意」を想像しそれを「形」に変える技術が必要です。
例えばお客さんが
「毛先を5センチ切ってパーマをかけてください」
とオーダーされたとします。
「はい。わかりました!」
とハサミを入れる美容師は「超ド級の三流美容師」いや直ぐにでも辞めた方がいいと思います。
お客さんは「素人」です。持ってるイメージや髪の毛の悩みにたいして「こうすればいいのかなぁ?」くらいの感じでお話しされます。
病院で言うところの
「先生、風邪をひいたみたいなので風邪薬出してください」
みたいなもんです。
よくよく調べてみたら風邪ではなくもっと重い病気だったりするのに
「はい、わかりました解熱剤、総合感冒薬、胃の薬、うがい薬出しときますねー」
と言ってるのに等しいのです。
「5センチ切りたい」というのは「最近、毛先がパサパサしていて絡むから5センチくらい切らないとダメかなあ?本当はもう少し伸ばしたいけど」が本音だったりします。
毛先の絡みなら場合によっては1〜2センチかともすれば5mmでも良かったりします。
パーマも「髪の毛が細くてペタンとするからパーマかけてふんわりさせないとダメかなあ?」とかだったりします。
ペタンとする理由が使ってるシャンプーの洗浄力が強くて頭皮から皮脂が出てベタついてるうえにしっとりタイプのトリートメントを根本からつけてペトペトになってるのが原因だつたりもします。それを安易にパーマをばかけて余計に手入れしづらくなる事もあります。
簡単に言ってもこれだけあって、さらに、仕事、ライフスタイル、ワードローブ、好きな色、髪質、ダメージ度合い、長さ、普段のお手入れ、時間と様々な要素をお客さんから言わなくても聞き出せる会話力や読解力が必要になります。
まあ、「あなたが5センチ切ってパーマかけろって言ったからそうしたんですよ!僕(わたし)は言ったとおりやりましたからねっ!」で終わらせたいならそれでもいいでしょう。中には「わたしの言ったとおり黙ってやってくれりゃあいいのよ。スマホ見てるから後お願い。」って言う既得なお客さんもいるやもしれませんからね。
大変そうだけど、「お客さんの想像を超えるデザインを作る事こそが美容師の醍醐味なんじゃないでしょうか。
「言われたまま作る」だとAIに取って代われてお客さんのスマホに映るchatGPTの画面を見ながらカットするなんて味気ない仕事になってしまいますよー
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